樋口健彦

黒をおく「積、融」構想 12

¥88,000
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樋口は、「器」にこだわらず「焼きもの」にこだわるという意味で現代工芸の異端児。建築や環境へと開かれた、彫刻的な仕事で評価が高い、中堅実力作家。
見る者の観想を促す黒い小宇宙は、多彩で交響的なポリフォニーを感じさせ、「黒」の無限な光彩を信じる樋口の、ユーモアと諧謔に満ちた、生讃歌を感じとっていただきたい。 (武蔵野美術大学教授 新見隆)

 

樋口健彦さんは陶を素材に、墨とバーナーを使った独自の技法による黒色の作品シリーズを発表してきました。焼きあがったばかりのまだ熱い作品に墨に浸し、それを更にバーナーで焼き付けることを繰り返すことで、全ての光を吸い込むような、独特の色調が生まれています。通常、作品は光によってその存在が明らかになるものですが、樋口さんの作品では、逆に光を吸い込み、存在の輪郭を消すことでその作品が成立するというパラドックスが表現されています。陶とは思えない造形や質感を持つ作品は、そうした素材との相反する関係性を象徴しています。

近年はアルミニウムを素材として取り上げ、炉で一部が融解したアルミニウムの金属的でありながらも柔らかな光と、全てを吸い込むかのような黒色の作品との対比による新しい世界を表現されています。

樋口健彦 Takehiko Higuchi
1966年 福岡市生まれ
1993年 Artists in Residence Program Tama Life21東京
1999年 Asian Artists Fellowship (U.S.A.)
2004〜2017年 多摩美術大学工芸学科非常勤講師
主な展覧会
1995年 GALLERY WHITE ART(個展)
1996年 ギャラリー川船 (個展)‘97‘99‘02‘05‘08‘09’13
1997年 コバヤシ画廊企画室 (個展)‘97‘98
1998年 Contemporary Ceramics‘96 Gallery Art Present (Paris)
1998年 東京国際フォーラム エキシヴィジョンスペース(個展)
1999年 Red Mill Gallery (U.S.A., Vermont)(個展)
2000年 They are Square, but Not too Formal. Robert Pardo Gallery (NY)(個展)
2010年 「モノ・黒」樋口健彦の仕事2005-2010 平塚市美術館(個展)
2016年 「生への言祝ぎ / インスタレーション、十二の柱+出会いのパフォーマンス」大分県立美術館OPAM
主なコレクションに、平塚市美術館、町田市立博物館、アルゼンチン近代美術館、Robert Pardo Gallery (NY)、INAXギャラリー、二期リゾート他

ギャラリー册「現代工芸VS.美術、十二人の競演──ゲーテの目、あるいは舞踊する庭」2021年7月1日~10月16日 展示作品

 

サイズ W83×D85×H192mm
素材 セメント、アルミニウム、竹炭
制作年 2020年